テレワークの日常化、ワーケーションで深めるメンバーとの関係性

パーソルホールディングス株式会社は、社員の多様なはたらき方を推進するために、移動や宿泊にかかる費用を会社が負担する「ワーケーション制度」の運用を2023年4月から開始しています。本記事では、2023年度の本制度の利用実績と利用者アンケートをもとに、ワーケーションを推進する目的とその効果についてご紹介します。

目次

那須市・釧路市・日向市にある3つの施設でワーケーションを実施

まずは「ワーケーション制度」を担当するパーソルホールディングス 人事部HD人事室の栗本良平に、「ワーケーション制度」の概要と目的について話を聞きました。

──パーソルホールディングスの「ワーケーション制度」について教えてください。

栗本:「ワーケーション制度」は、社員の多様なはたらき方を推進するための人事制度です。新しく加入したメンバーや新組織内のメンバーどうしが早期に関係性を構築したり、既存のメンバーどうしが関係性を深めたりすることで、組織としてのパフォーマンスのさらなる向上を目指しています。そのため、ワーケーションにかかる交通費・施設利用費・宿泊費を会社負担で利用することが可能です(※宿泊費は一人あたりの上限金額あり)。現在は、パーソルホールディングスなどに所属する約600名の社員が対象で、部門や組織、プロジェクトチームなどのチーム単位で利用することが可能です。

──どんな施設を利用できるのですか?

栗本:2023年度の利用施設は「TOWAピュアコテージ(那須)」と「釧路フィッシャーマンズワーフMOO」「STAIRS OF THE SEA(日向)」の3つです。それぞれ特徴の異なる施設でワーケーションを実施できるようにしていました。

■「ワーケーション制度」の対象施設

・TOWA ピュアコテージ(栃木県那須市):https://www.pure-cottages.jp/

那須高原の美しい大自然に立ち並ぶ白を基調とした二階建ての伝統的な北欧風のコテージです。コテージ1部屋あたりの広さは82㎡で、寝室も2部屋あり、暖炉付きの独立した客室が上下に2室ずつ。12名程度の大人数のグループでの利用も可能です。都会の喧騒から離れ、那須の大自然を感じながら業務を遂行できるところが魅力。

釧路フィッシャーマンズワーフMOO5F(北海道釧路市):https://www.moo946.com/

釧路市街地の中心部に位置する商業施設『Moo(ムー)』の最上階にあるスタイリッシュな施設。窓から望む釧路川や太平洋、世界三大夕景に数えられる美しい夕日などの景色も魅力の一つです。ワークスペースには、フリーアドレスの座席に加え、2つのミーティングルームと防音テレフォンブース1席を完備しています。Wi⁻Fiやロッカーなどを完備しており、オフィスと遜色のない快適な環境で過ごすことが可能です。

・STAIRS OF THE SEA(宮崎県日向市)https://stairs-miyazaki.com/

年間通して晴れの日が多くカラッとした宮崎県特有の気候と水平線を挟んで2色のブルーが広がる景色の中で、快適にワークしながら非日常感も味わうことが可能です。作業に集中できるカウンター席やコミュニケーションをとりながらワークできるテーブル席、コージーなソファスペースなど、多様なワークスペースを用意しています。施設のほどよい規模感からチームビルディングやグループワークにも最適です。

テレワークがあたり前の今だからこそ、「リアル」での関係構築を大切にしたい

──なぜ「ワーケーション制度」を始めたのですか?

栗本:パーソルホールディングスでは、コロナ以降もテレワークが日常化しており、現在9割の方が利用しています。それによって、「柔軟なはたらき方ができるようになった」「子育てとの両立がしやすい」というポジティブな声が多く上がる一方、新しく入社される社員からは「チームメンバーの顔が見えないため、関係構築がしづらい」「誰がどのような仕事をしているのかが分からず、連携がとりづらい」といった声も上がっていました。
テレワークのメリットを活かしながら、デメリットの部分である関係性構築をスムーズにするために、リアルでの接点の「質」を向上させようという想いに至りました。
ワーケーションでは、オフィスへの出社やテレワークにかかわらず、日常とは違った環境の中でお互いの関係性を深めることができます。それは仕事のパフォーマンスのさらなる向上にもつながると考えています。

2023年度「ワーケーション制度」の利用実績


──効果はありましたか?

栗本:2023年度の「ワーケーション制度」の利用者にアンケートを実施しました。「ワーケーションで『リフレッシュ』『作業効率向上』『関係性向上』『アイディア創出』をすることできたと思いますか?」という質問に対して、「関係性が向上した」と回答した割合が9割を超える結果でした。また、ワーケーション中に対話会の場を任意で設けたチームは未実施のチームと比べると「関係性が向上した」と回答した割合が高かったことも特徴としてあげられます。

また、「ワーケーション実施以降、チーム内で『挨拶や雑談』『業務上の相談』『意見出し』がしやすくなったか?」という質問に対して、「挨拶や雑談がしやすくなった」と回答した割合は85%という結果となり、チームの関係性構築に一定の成果があったと考えています。

加えて、2023年9月に取得したエンゲージメントサーベイとの関係性も分析したところ、ワーケーションに参加した組織の方がワーケーション未参加の組織に比べて、組織エンゲージメントが高いことも分かりました。

今後も、テレワーク下での社員の“はたらくWell-being”の向上を目的とした施策を打ち出す

──「ワーケーション制度」の課題は?

栗本:「関係性が深まった」という声を多くいただいた一方、「育児中の社員は参加がしづらい」「施設が少し遠くて気軽に行けない」などの声もいただきました。そうした改善を求める声に対応するために、2024年度は近距離施設を追加するなど施設の見直しを行い、社員がより参加しやすいような形に制度をブラッシュアップする予定です。

──今後の目標は?

栗本:私たちは「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンに掲げる会社です。誰もがはたらいて、笑える社会を実現するために、まずは社員である私たちから体現することが重要だと考えています。そのためにはチームの関係性構築は不可欠な要素ですし、新しくパーソルホールディングスのメンバーになった人にも「パーソルホールディングスに入社して良かった」と言ってもらえるような会社にしていきたいと思っています。
今後も、テレワーク下でのはたらき方を前提としたチームの関係性の向上施策を進めていくことで、社員の“はたらくWell-being”を向上させていきたいと思います。

パーソルグループは、「“はたらくWell-being”創造カンパニー」として、2030年には「人の可能性を広げることで、100万人のより良い“はたらく機会”を創出する」ことを目指しています。
さまざまな事業・サービスを通じて、はたらく人々の多様なニーズに応え、可能性を広げることで、世界中の誰もが「はたらいて、笑おう。」を実感できる社会を創造します。

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